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マネー、内需株に回帰――暴風相場、「日本」に光明

 世界の投資家が驚いた。1年前は泡沫(ほうまつ)候補とされたトランプ氏が大統領選に勝利し、9日は日経平均株価が919円下げた。しかし「暴風相場」のなか、底堅かった銘柄もある。内需関連だ。物色動向から日本株の先行きに3つの光明が見えてくる。
 9日は東証1部の97%が下げる全面安の展開だった。トランプ氏の政策手腕は全くの未知数。「当面は不確実性が高まり、企業と家計は投資・支出を先送りする」(野村証券の竜沢俊彦投資情報部長)との見方が多い。世界景気への悪影響を念頭に自動車、機械、海運などの景気敏感株から資金を引き揚げる動きが相次いだ。
 対照的に内需関連株は底堅い値動きが多かった。TOPIX(東証株価指数)のうち主要500社を見ると、9日に上昇したのは森永乳業、コカ・コーラウエスト、ニトリホールディングスの内需株3銘柄のみ。ライオンは朝高後、売りに押されたが下落率は0・16%と浅かった。
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 暴風相場で内需株を拾う理由は何か。投資家の動きから3つの確信がのぞく。
 ひとつは意外な粘り腰を見せる国内景気だ。内閣府が9日発表した国内景気ウオッチャー調査によれば、街角 の景気実感を示す現状判断DIは49・3と4カ月連続で改善。「保護貿易の台頭など海外要因が読めず国内に視点が移りやすい。消去法的とはいえ、内需株は買いやすい」(コモンズ投信の糸島孝俊運用部長)
 堅調な国内景気が企業業績に反映されているのも追い風だ。エディオンは8日取引終了後に今期の経常利益予想を上方修正。9日は3%高で引けた。大和ハウス工業は9日午後2時に業績見通しを引き上げ、株価の下落幅を縮めた。
 3つめはトランプリスクの高まりで、安倍政権が相対的な安定感を持っていると感じる投資家が増えている点だ。一例が首相による4年連続の賃上げ要請だろう。中小企業や非正規社員に賃上げの恩恵を広げる狙いで、今年は「働き方改革」の視点を盛り込んだ。
 賃上げが消費を盛り上げるとは限らないが、メリットを受けやすいのが小売り、外食などだ。人手不足に悩む業種が多く、労働生産性の改善も期待できる。
 ニューヨーク・ライフ・インベストメント・マネジメントのジェイ・ユーン最高投資責任者は「改革に時間はかかるが、方向性は正しい。(日経平均などの)株価指数が10%下がったら日本株は割安だ」という。
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 相場の乱高下は当面続くだろう。日経平均の予想変動率を示す「日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)」は9日、英国の欧州連合(EU)離脱ショックが残っていた7月29日以来の高水準を付けた。米国株を対象にしたVIX指数も高止まりしている。
 「トランプ政権が保護主義政策を取れば、自動車など輸出企業はさらに打撃を受ける」(フィデリティ投信のジェラミー・オズボーン・インベストメント・ディレクター)。不安定な相場環境で出始めた内需株シフト。年金など保守的な投資家が資金をどこまで移すかが、日本株の行方を左右しそうだ。(関口慶太)