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いつまで続く日銀相場――ETF購入縮小に警戒感

 1日の日銀金融政策決定会合は波乱なく通過した。それでも年間6兆円ペースで上場投資信託(ETF)を購入する日銀の存在は大きく、日銀買いを見越した取引で収益機会を狙う動きも出ている。ただ、現状の買い入れがいつまでも続くとは限らない。「意外と早く購入縮小に踏み切るかもしれない」との警戒感がじわりと広がっている。
 「きょうの日銀会合はほとんど材料視されなかった」。三井住友アセットマネジメントの金本直樹氏はこの日の相場をこうみる。東証1部の売買代金は2兆1094億円と、今年の金融政策決定日では最少だった。
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 とはいえ、日銀のETF買いには短期筋を中心に敏感だ。日経平均株価の午前終値は前日終値比25円安だった。午後には日銀がETF買いに動くとの観測が出て上昇に転じた。実際、700億円超の購入があり、17円高で取引を終えた。
 ある証券トレーダーは「日銀が短期筋の動きを左右する展開が常態化してきた」と話す。注目されているのが「新たな日銀トレード」。日銀がETFを買う日中時間帯に日本株が上昇しやすい傾向を利用したもので、午前の早い時間帯に買って、午後の取引終了間際に決済 してしまう。
 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真氏が試算したところ、こうした取引は日本株を夜間帯まで持ち続けるより高い収益が得られるとの結果が出た。日銀買いがない夜間帯に弱含む傾向があるためだ。古川氏は「最近1カ月でこの傾向が強く出ている」という。日本株全体の売買が低調な中で、一度に700億円程度を買う日銀の存在感が増していることを示す。
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 市場では「日銀買いが強い影響力を持つ状況がしばらく続く」(国内機関投資家)との見方が多い。ただ、一部では「ETFの買い入れ縮小の時期が意外に早く訪れるかもしれない」との警戒感も浮上している。野村証券の松浦寿雄氏は「具体的な条件ははっきりしていないが、企業・家計心理の改善動向や株価次第では購入額を縮小する可能性がある」と指摘する。
 ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏もETF購入が続くことを疑問視する。日銀は「ゆがみはない」というが、井出氏は「個別銘柄の価格形成にはゆがみが出ている」とみる。同氏はETF買い入れが各銘柄のPER(株価収益率)などに与える影響を分析。9月に買い入れ方法を東証株価指数(TOPIX)中心に変え たことで緩和されたものの「いびつな状況は続いている」(井出氏)という。
 債券市場と同様、株式市場でも購入が限界に近づくとの指摘もある。みずほ総合研究所の大塚理恵子氏は東証1部を対象に市場で取引できる浮動株を試算した。今後15年で44銘柄の浮動株の半数、4銘柄では浮動株すべてを買い入れることになる。「流動性が低下し、値動きが激しくなる恐れがある」(大塚氏)
 日経平均は日銀の買いによって1000~2000円程度押し上げられているとされる。いずれ購入縮小に動くとすれば、ハシゴを外されてしまう危険性をはらんでいることも念頭に置く必要がある。(菊地毅)