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個人、フィンテック頼み――売買機会の判断材料に

 11月8日の米大統領選まで1週間あまり。共和党のドナルド・トランプ氏の支持率低下や円高一服と連動するように、短期マネーが日本株に流れ込み、10月の日経平均株価は6%上昇した。今年2番目の月間上昇率だが、個人投資家には高値警戒感が漂う。強気になりきれない個人が頼るのが、金融と情報技術を融合したフィンテックだ。
 商船三井が上昇する確率50%、横ばい40%、下落10%――。31日午前10時半過ぎ、日本郵船や川崎汽船とコンテナ船事業を統合するとの報道が流れた同社について「兜予報」というスマートフォンアプリがこんな通知を出した。アナリストや証券会社の熟練営業マンなど20人の株式専門家に投票してもらい、投資家に選択肢を示す。
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 「ただのアプリ」と侮るなかれ。商船三井株は「合理化によるコスト削減への期待」(SMBC日興証券)が高まり、31日終値は前週末比6%高だった。これまで公表した約500記事の的中率は7割強という。予報を提供する財産ネット(東京・港)の荻野調社長は「ニュースが出てから材料が短時間で株価にどう織り込まれるか。投資家の関心は高い」と話す。
 最近の相場 はデイトレードを好む個人投資家にとって手がけにくい状況が続いている。日銀の上場投資信託(ETF)買いが相場を支え、下げ局面で割安株を拾おうとする個人には「押し目待ちに押し目なし」という難しい局面だ。
 値幅も縮んでいる。10月の日経平均の日中値幅は119円と今年最小。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「売買回転率が落ちて稼ぎが減り資金が細った」と話す。
 主力株に目を向ければ、短期的な過熱感がつきまとう。東証1部の値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割った騰落レシオは31日時点で134・61%と「買われすぎ」とされる120%を上回る。「業績悪化を織り込み、今後の反転を期待する資金が日本株に流れている」(大和証券の壁谷洋和チーフストラテジスト)
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 逆風のなか、一部の個人はフィンテックを使った「武装」に励む。カブドットコム証券は28日、制限値幅の上限や下限に達しそうな銘柄をリアルタイムで知らせるサービスを始めた。31日はオウチーノ(19%高)など27銘柄が対象となった。伊藤充淳営業推進部課長は「気付かなかった売買機会をあぶり出す」と話す。
 ベテランの トレーダーが経験を積み重ねて蓄積したノウハウはまさに「暗黙知」。だがフィンテックの力を借りれば一般投資家も一部を共有できる道が開ける。腕利きのデイトレーダーであるむらやん氏は「投資期間の長短に関係なく、勝ちパターンを見つけることが大切」と指摘する。
 短期投資家は相場の下落局面で政府などからとかく悪玉と扱われがちだが、相場の最前線では取引の厚みをもたらす大切な主体だ。日本ではデイトレーダーの数は4万~5万人とされ「過去10年増えていない」(ネット証券幹部)。投資家の裾野を広げるためにフィンテックが果たす役割は意外と大きいかもしれない。(関口慶太)