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薄商い突くファンド勢―先物主導「一手買い」に危うさ

 日本株が妙な底堅さを見せている。「トランプ米大統領」のリスクが後退し、企業の決算発表で想定外の悪材料は今のところ出てきていない。それでも需給には偏りがある。最右翼の買い手はもちろん日銀だが、伏兵がいる。仏系ソシエテ・ジェネラル証券だ。株価指数先物を通じた買いの裏側にはヘッジファンドの存在がささやかれ、日経平均株価1万7000円台乗せを演出した。薄商いを突く一手買いの勝算は――。
 「裏側に誰がいて、次はいつ動くのか。市場は疑心暗鬼になっている」。27日、小動きの日経平均を横目に国内大手証券のトレーダーはつぶやいた。最近、市場の話題をさらっているのが、ソシエテ経由の先物買いだ。
 ソシエテの大口の買いは11日と20日に入った。両日とも節目の1万7000円を突破した日だ。1日の購入枚数はそれぞれ6400枚を超え、想定元本ベースでは1000億円超という規模だ。21日以降は小幅な買い越しにとどまる。
 他の外資系証券をしのぐソシエテ経由の「一手買い」は日経平均を半年ぶりの高値圏に押し上げた。
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 急な上昇に慌てたのは上値でオプションを売っていた投資家だ。膠着相場を みこんでいた投資家は権利行使価格1万7500円や1万8000円のコール(買う権利)を売り、オプション料を稼ごうとした。そこに突然、大口の買いが現れた。株高で権利行使価格を突破されれば、損失が広がってしまう。一部の投資家は手じまいを迫られた。
 ソシエテの杉原龍馬株式営業部長は先物買いの理由について「一切コメントできない」と口を閉ざす。ただ競合する大手証券の自己売買部門担当者は「買い方から推測するに、裏には商品投資顧問(CTA)のような海外ヘッジファンドがいるに違いない」と話す。
 タイミングは絶妙だった。日銀によるETF買い倍増の威力が知れ渡り、「ヘッジファンドが売り持ち高を増やす動きは止まった」(ドイツ証券の柳沢正和・共同株式営業統括部長)。海外長期投資家の日本株売りもほぼ一巡し、商いが細るなか、先物で相場を動かしやすい寸隙を突いた。上値突破で「コール」売りの買い戻しを誘う狙いもあったかもしれない。
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 さて次の焦点は、この先物投資家がいつ利益確定に動くか。留意しなければならないのは先物買いが主導した株高は続かないという経験則だ。
 アベノミクス相場が始まっ た2012年以降は海外勢の現物買いが主導していたが、14年秋以降は先物買いが優勢になった。買い越しに占める先物比率が高い月が多くなり、相場は崩れやすくなる。先物を買い越していた投資家はいずれ損益確定に動くからだ。
 海外勢は今、月間ベースで3カ月ぶりの買い越しに転じているが、先物の比率は6割を超える。過去の経験則によると海外勢の先物買いは1~2カ月後に売り越しに転じていた。今回の局面は買い手が少ないとみられるうえに、12月には米利上げ判断を控える。じわり強気に傾いたように見える相場の足元は、思ったよりももろいかもしれない。(宮本岳則)