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閑散にこそ「買い」あり―隠れた成長株、じっくり吟味

 21日の株式相場は再び閑散ムードに戻ってしまった。日銀の上場投資信託ETF)買いで下値不安は後退したものの、相場が動かず海外投資家や個人投資家の売買意欲は高まらない。だが閑散相場の陰で、目の肥えた投資家は企業の稼ぐ力を見極め、成長株を買う機会を丹念に探っている。
 「最近は午後はジムですよ」。名古屋市在住のデイトレーダー、株之助さんハンドルネーム、40)はこう話す。普段は一日中売買するが最近はほぼ午前10時で終える。日銀のETF買いの影響で株価が下がりきらず、「下値を拾う機会がなくなった」という。
 21日の日経平均株価は鳥取地震が起きた午後2時すぎに下げに転じ、6日ぶりに反落した。10月に入ってからの東証1部の売買代金は一日平均で1兆8200億円強と、盛り上がりを欠く。
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 投資家は離散したのか。必ずしもそうではないようだ。短期売買が得意だった個人投資家、麻生創さん仮名、36)は最近、10年来のスタイルを改め「業績は裏切らない」と成長株をじっくり買う手法に転じた。きっかけはミク シィ株の売買で悔しい思いをしたためだ。2013年12月、スマートフォンスマホ)ゲーム「モンスターストライク」を巡り株価が乱高下。急落局面で売ってしまった。ところが14年春に会社は大幅な増益見通しを公表し、株価は急回復した。
 最近買った銘柄はアパレルのネット販売が好調なTOKYO BASE。「香港進出による成長を期待している」と話す。決算内容や経営者を見極め、じっくり保有するつもりだ。
 機関投資家も動く。「今後3年間の成長に期待しました」。米PNCキャピタル・アドバイザーズの運用担当者、マーティン・シュルツ氏は9月以降、仮想現実VR)技術や音楽事業に着目しソニーを買い増した。中小企業のM&Aを得意とする日本M&Aセンターにも関心を寄せる。
 日銀のETF買い入れ額を増やした8月以降、外国人と個人は累計で1兆7000億円超を売り越した。ただ外国人は直近で買い越しに転換。BNPパリバ証券の株式本部長、ダグラス・ブッチャー氏は「個別株の物色は活発」と話す。
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 スパークス・アセット・マネジメントで17銘柄に集中 して投資する武田政和ファンド・マネージャーは「株価は最終的に企業の本質的な価値に収れんする」と確信している。ファンドを設定した08年3月から持ち続けている銘柄の一つがキーエンスだ。工場を持たず顧客が分散する強みを評価した。時価総額は当時の4倍と「想定を上回る成長だ」。高ROE自己資本利益率)銘柄を含む武田氏のファンドは過去5年で年率2割強のリターンだ。
 来週から主要企業の16年4~9月期決算の発表が本格化する。ヒントは決算内容や株価動向の中に潜んでいる。閑散相場の今こそ、長い目で見た成長株を見極める好機にできるはずだ。野村優子)