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「想定外」望む日本株―売買低調、短期筋も動けず

 19日の日経平均株価は小幅に上昇した。4日続伸となるが、市場では手詰まり感が広がる。東京証券取引所第1部の売買代金は10月に入り、活況の目安とされる2兆円を一度も超えられない。年内の政治や経済のイベントは織り込まれ、大きく株価を動かすきっかけが見当たらないのだ。穏やかな値動きを前に短期筋も息を潜める。良くも悪くもサプライズがなければ、膠着相場は長引きそうだ。
 「静かですね」。19日、ある大手証券の売買責任者は浮かない様子だった。国内外を問わず機関投資家からの注文が少ない。個人投資家も状況は同じ。業績回復が伝わったシャープや新興株の取引は膨らんだものの「物色意欲は限定的でお休みムード」国内証券)だった。
 東証1部の売買代金は10月に入って12営業日連続で2兆円を下回っている。これは2014年8~9月17営業日連続)以来だ。10月は1日あたり平均で約1兆7888億円と、14年8月約1兆7455億円)以来の低水準となるペースにある。日経平均株価の高値と安値の差日中値幅 )を見ても10月はほぼ2年1カ月ぶりの小ささだ。
 14年当時を振り返るとウクライナやイラクなど海外の地政学リスクに対する警戒感が広がり、米国の利上げ時期への注目が高まっていた。その後、日銀が追加金融緩和に踏み切り、日本株は膠着相場を脱して上昇へと向かった。
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 翻って現在は国内外の金融政策を巡るサプライズが乏しい。日銀は「金融政策の総括」を終えた。米利上げも12月との見方が定着しつつある。当面は金融政策が日本株を大きく動かす材料にはなりにくい。
 株価指標からも「適温水準」との見方がある。日経平均構成銘柄の予想PER株価収益率)は14倍強。間もなく本格化する4~9月期の決算発表では円高に伴って業績予想の下方修正が相次ぐ可能性があるが、アベノミクス相場でPERはおおむね14~16倍で推移してきた。業績の減速を織り込んでも現在の株価水準に大きな違和感はない。
 ある国内ヘッジファンドの運用責任者は「売りからは入りにくい」とこぼす。日本株が大きく下げれば日銀が上場投資信託ETF)購入を通じ下値を支えるからだ。空 売りを仕掛けにくくなり、決算後の値動きを見極めようと電子部品や機械関連などで地道に銘柄分析を進めているという。官製相場の色合いが濃くなり「個人が下値を買う機会が乏しくなった」ネット証券)との声もある。
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 サプライズがあるとすれば政治だ。英ASR社と米シカゴ大ブース・ビジネススクールが算出する世界の政治・政策の不透明感を数量化した指数は高止まりする。米大統領選に続き17年はフランス大統領選やドイツ総選挙など政治イベントが目白押しだ。みずほ証券の菊地正俊氏は「英国の欧州連合EU)離脱決定のようなこともあり予断を許さない」と話す。
 日本時間の20日午前、最後となる米大統領選のテレビ討論会が予定される。「想定外」が飛び出し膠着相場を抜け出すきっかけになるだろうか。増野光俊)