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日銀買いに個人そっぽ―値動き重視、短期売買に熱

 日経平均株価は18日、小幅に3日続伸した。主力株の売買が細るなか、値動きを重視する個人投資家は「日銀が買わない」銘柄に向かっている。日経ジャスダック平均は同日、9カ月ぶりの高値を更新。主力株に並んで東証2部の安川情報システムといった銘柄が売買代金の上位に食い込む。日銀が支える「官製相場」にそっぽを向く個人の売買術とは――。
 「上がりも下がりもしない官製相場だから、日銀が買う東証1部銘柄は避けて売買しています」
 淡々と語るのは「むらやん」の愛称で知られるデイトレーダーの村上直樹氏だ。一日に億円単位で売買する村上氏が18日に手がけたのは、マザーズ上場のブランジスタ、ジャスダック上場のオリコンといった日銀の買い入れ対象外の銘柄だった。ブランジスタは全市場ベースで売買代金7位。作詞家の秋元康氏がプロデュースするスマホゲーム「神の手」に注目が集まり、今春にいったん大相場となった後、9月末に韓流を採り入れた新企画を発表。再び動意付いた。村上氏は数千万円単位で売買を繰り返しているという。
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 値幅取りを狙う短期志向の個人投資家の好みははっきりしている。年6兆円に倍増し た上場投資信託ETF)を通じた日銀の買いが支える東証1部の主力株は「値動きが乏しく売買の妙味がない」都内在住の30歳代の個人投資家)。2部やジャスダック、マザーズ上場銘柄は株価がちょっとした材料に素直に反応し売買機会も大きいとみる。
 18日、東証2部で売買代金首位だった安川情報システムもそんな銘柄の一つだ。7月末に「仮想現実VR)端末で製造業にIoTを提案する」と伝わったのを材料に「日銀の買いに影響されない銘柄」として個人が着目。8月中旬からの2カ月間で株価は3倍になった。
 同日、値幅制限の上限ストップ高)となったビッグデータ解析のメタップスは先週、みずほ銀行と金融・IT情報技術)を融合したフィンテックに関する協議を始めたという発表が手掛かりとなった。
 商いが急増しているオリコンは、ホンダがマグネシウムを使った2次電池の実用化にメドを付けたと伝わったのが材料だ。本業は音楽CD売り上げのランキングだが「子会社がマグネシウム精錬技術を研究 している」同社)という。SMBC日興証券の太田千尋氏は「材料を吟味するというより個人が値動き重視で売買している」と話す。
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 特定の銘柄を繰り返し売買する個人の動向は売買上位10位の比率を示す先導株比率にも表れる。ジャスダックは7割と東証1部の2割を大きく上回る。株式投資を始めて60年というベテラン投資家の藤本茂氏は証券会社の定額の手数料コースを月100回から月1千回に変え「1日30回以上売買している」という。
 だが売買の盛り上がりは長続きしない。別の材料がもてはやされれば足の速い個人の資金は移っていく。日銀買いの影響力が強まる主力株を避け、短期売買に熱中する。そんな個人投資家が増えている現状は、やはりどこかゆがんで見える。藤原隆人)