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アクティブ投資に光明――「決算で選別」の環境、徐々に

 20日の安川電機を皮切りに主要企業の4~9月期の決算発表が始まる。個別銘柄を選び市場平均を上回る運用成績を目指す「アクティブ投資家」の間では、決算を機に「企業業績に基づく投資がしやすくなる」との期待が出ている。米大統領選の行方や米国の利上げ時期など年内の不透明感がやや薄らぎ、企業業績に目が向かいやすい地合いになってきたためだ。
 17日の日経平均株価は小幅高だったが、投資家は浮かない表情だ。2008年のリーマン・ショック前からアクティブファンドを運用する国内運用会社のファンドマネジャーは「今年はこれまでの中で一番苦しい」とぼやく。株価が個別の業績を反映しているように見えないからだ。
 この嘆きを裏付けるデータがある。みずほ証券が東証株価指数TOPIX)500の構成銘柄を対象に分析したところ、今年に入って、個別株の株価指標バリュエーション)のうち「業種」で説明できる部分は7割を超え、企業業績など個別企業の要因は3割に満たない。1978年以降の平均では業種は4割弱で、通常ならば主因はあくまでも個別要因だ。みずほ証券の永吉勇 人氏は「市場の関心が主要国の金融政策や政治動向に向いているのが大きい」という。
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 だが、三井住友アセットマネジメントの坂井早苗氏は「変化の兆しはある」と話す。同氏が注目するのは、決算を発表した小売企業だ。例えば、ドラッグストア。多くは6月以降、「総売り」の状態だったが、決算発表を機に明暗が分かれている。6~8月期が営業減益だったクリエイトSDホールディングスは17日も年初来安値を更新。一方、4~6割の大幅増益だったウエルシアホールディングスやコスモス薬品は年初来高値圏にある。
 変化が生じたのは年内の重要イベントの不透明感が後退し始めているためだ。米国の金融市場では12月利上げの確率が約7割に上る。過去に米連邦準備理事会FRB)が利上げをした時の確率に並び、「12月利上げ」は共通認識になりつつある。
 米大統領選挙も「クリントン氏勝利」の見方が出ている。高い予測精度で知られる、アイオワ大学が運営する電子取引市場IEM)では同氏勝利の確率が84%。この予測市場では「確率65%で安全圏とされ、現状はもはや大統領 選が成立していない状態」三菱東京UFJ銀行の鈴木敏之氏)との声もある。
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 こうした中で、3月期企業の決算発表が始まる。4~6月期の決算発表後は株価が割安な外需企業なら何でも買われた。それまでは投資家の保有株が極端に内需株に偏っており、修正が急速に進んだ。保有株の偏りが薄れた今、「内需・外需問わず決算の中身で選別される局面になる」農林中金全共連アセットマネジメントの山本健豪氏)。
 17日も「投資家は相変わらず様子見」国内大手証券)といい、東証1部の売買代金は活況の目安の2兆円を大幅に下回った。だが運用成績の挽回を目指すアクティブ投資家は今回の決算で虎視眈々たんたん)と機会をうかがっているのかもしれない。松本裕子)