儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

資源株買い、迷う投資家―割安でも業績読み切れず

 安値圏にあった資源関連株に関心を向ける投資家が増えてきた。原油先物相場が1バレル50ドル台を回復。原料炭など資源価格の回復が鮮明で、大手商社など日本の資源関連株に収益拡大期待が高まってきたためだ。ところが、いざ買おうとすると様々な懸念にとらわれ、ためらう投資家が多いようだ。何を警戒しているのか――。
 「しばらく面会の機会のなかった海外投資家から『話を聞きたい』と連絡があった」。ある大手商社の幹部は、ほっとした表情で話す。鉄鉱石や原料炭の市況が回復し、海外投資家の間で2017年3月期の業績拡大期待が高まっているらしい。
□   □
 資源価格の戻りは大手商社や石油開発関連株の上昇を誘っている。原油先物相場は石油輸出国機構OPEC)での減産合意を経て6日、50ドル台を回復。銅やニッケルなどの価格も持ち直している。国際通貨基金IMF)が発表した経済成長見通しで「新興国景気が思ったほど悪くないの見方が支えとなっている」大和住銀投信投資顧問の門司総一郎経済調査部部長)という。
 今年1~6月の資源 関連株は大きく出遅れていた。ただ資源価格の回復が業績に効き始めるとなると、機関投資家は「持たざるリスク」を意識する。業績悪化局面にあった資源関連株はこれまで組み入れの対象外だった。だが業績が回復し、株価が上昇に転じれば保有していないだけで、運用成績に差が出てしまう。
 実際、割安感に着目した動きは出ている。例えば株価純資産倍率PBR)が1倍を下回る資源関連株への買いだ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真チーフ・ポートフォリオストラテジストは「米利上げ観測で金利上昇期待が強まる中、食品や日用品など債券代替の投資先だった『割高な株』が売られ、一部の資金が割安な資源関連株に流れた」と指摘する。
 10~12月は出遅れていた日本の資源関連株に資金が回帰するとの見方がある。それでも一部の投資家は「強気になれない」と迷う。ある国内大手運用会社の運用担当者は商品市況の先行きに不安がある。「底割れリスクは回避したとみているが、中国の需要や政策はなお不透明だ」と話す。
□   □
 市況以外にも日本の資源関連株に特有の懸念材料がある。一つは円高が足かせと なり、収益が目減りするリスクを消せないことだ。
 もう一つは「割安株のワナ」にはまる懸念だ。日本の資源関連株は割安感に着目した買いが入っても「そのたびに業績下方修正で株価が一段安となるパターンが多かった」国内証券のストラテジスト)。大手商社の場合は資源以外の業績にも目配りする必要があり、資源価格の回復が業績に直結するかどうかは読み切れない。前期まで減損損失の計上が続き、「回復を確信しきれない」と話すファンドマネジャーもいる。
 日本の資源関連株の上値を抑えているのは投資家の不信だ。本格反転を確かなものにするには、まず16年4~9月期決算で経営陣がリスク要因をきめ細かく開示し、積もった不信をぬぐい去る作業が必要になる。成瀬美和)