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米政治リスクに身構え――日本株揺さぶる「保護主義」

 11日の日経平均株価は1万7000円台を回復した。追い風の一つが米大統領選だ。民主党候補のヒラリー・クリントン氏が優勢との見方が広がった。ただ、共和党候補のドナルド・トランプ氏が選挙の表舞台から去ったとしても、世界各地では来年にかけ政治イベントが相次ぐ。市場は日本株を揺るがす新たなリスクを警戒し始めた。
 11日は電機や機械など外需関連株の上昇が目立った。大和住銀投信投資顧問の門司総一郎氏は「米雇用統計が堅調だったうえ、米大統領選を巡る不透明感が薄れてきた」と話す。連休中の第2回テレビ討論会でもクリントン氏が優勢を保ったと伝わったためだ。
 投資家心理も上向きつつある。QUICKが11日にまとめた10月の投資家心理指数は3カ月連続で改善。ドイツの調査機関によると、米国に対する世界の投資家の信頼感を示す指数は足元で昨年12月以来の水準に戻った。背景は「トランプリスク」の後退だ。
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 ただ、中長期で運用する投資家ほど、トランプリスクに身構える。ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄氏は「まだ選挙動向は楽観できない」と話す。コモンズ投信の糸島孝俊氏も「11日も東 証1部の売買代金が2兆円を超えず、19日の第3回目討論会や選挙結果が出るまで売買に動きにくい」という。
 頭をよぎるのは、欧州連合EU)離脱を巡る6月の英国民投票だ。直前まで残留派が優位と伝わったが、結果は正反対だった。米大統領選も11月の投開票日までまだ1カ月弱を残す。
 仮にクリントン氏が大統領に就いても、政策運営がリスクに浮上する。環太平洋経済連携協定TPP)への反対、中間所得層への減税、移民政策の見直し――。経済的な格差に不満を持つ米国民に配慮して「内向きな政策をとらざるを得ない」との見方は多い。
 日興アセットマネジメントの神山直樹氏は「クリントン氏の方が市場にはポジティブだが、不透明感は残る」と話す。米国発で保護主義が高まりヒト・モノ・カネの流れが鈍れば、世界経済の停滞につながる。日本企業の打撃は大きい。
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 すでに投資家が気をもむ指標がある。「経済政策不確実性指数」。米スタンフォード大学やシカゴ大学の研究者らが、数千の新聞記事やエコノミストの経済予想の振れ幅などから米経済の見通しにくさを示した 値だ。UBSウェルス・マネジメントなどによると、同指数が上がると、米国株の予想PER株価収益率)は低下しやすい。米国株の値動きは日本株の先行きに直結する。
 イタリアの憲法改正を巡る国民投票、EU離脱に動き出した英国、来年春の仏大統領選――。世界では政治イベントが目白押しだ。「政治リスクが顕在化すれば円高・株安に振れやすい」野村証券の吉本元氏)。株価を下支えしてきた金融政策の限界が指摘されるなか、大統領選後もトランプリスクの余波に翻弄される懸念がある。菊地毅)