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電機、再評価は道半ば―投資家、透ける「守りの姿勢」

 日経平均株価が5営業日ぶりに反落した7日の株式市場。薄商いの中で上昇が目立ったのが電機株だ。割安感に目を付けた買い戻しか、事業の選択と集中によって体質の改善を進めた成果が投資家から再評価されているのか――。
 7日、キーエンスの株価は5日続伸し、7万6890円と上場来高値を更新した。電機の時価総額上位に並ぶ三菱電機や日立製作所も、米大手運用会社が買い増しに動くなど海外勢の「電機株買い」がいつの間にか復活している。
 海外の競合企業と6月末からの株価騰落率を比べると、日立株は24%上昇。7%安の米ゼネラル・エレクトリックGE)や19%高のアップル、15%高の独シーメンスを上回る。
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 電機株再評価の発端は「リストラ第2幕」だ。2008年秋のリーマン・ショック後、各社は大規模なリストラを断行した。止血を優先した当時とは異なり、今の局面は「成長するために事業構造をどう変えるかという軸に移った」しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長)とみられている。
 例えば日立は、あらゆるモノがインターネットにつ ながるIoTを使い、顧客に多様な合理化策を提案する「製造業のサービス化」を掲げる。今春決めた物流と金融の売却に続き、直近は工具や半導体製造装置事業の売却交渉を急ぐ。ソニーも7月に電池事業の売却を決め、競争力の高い画像センサーを優先して伸ばそうとしている。
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 利益成長につながる合理化と採算改善は、いかにも海外投資家好みだ。だが最近の電機株の上昇には、運用成績を悪化させたくない投資家の「守りの姿勢」が透けて見える。
 為替が業績を大きく左右する自動車などより、人工知能AI)や自動運転車など「投資テーマが幅広い電機株の方が投資対象としやすい」ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄氏)。合理化後で株価の下落余地が小さく、展望が描きやすいという安心感もある。
 電機大手の業績が悪化した12年にかけて海外投資家の多くは電機株の組み入れ比率を引き下げた。再び上昇に向かっているとはいえ、フィデリティ投信の主力ファンドでは今年7月末で14%強にとどまる。輸出株の中での消極的な入れ替えにとどめるのか、本格的な利益成長を見越し た買いに転じるのか。答えは10月下旬の決算で日本の電機大手が成長への自信を示せるかどうかにかかっている。田中博人)