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膠着相場、出口はいつ?――米大統領選に波乱の芽

 4日の日経平均株価は続伸したものの、日銀の新枠組み発表日の1万6807円には届かず、膠着相場を脱するには至らなかった。相場が動き出すきっかけは11月8日の米大統領選かもしれない。過去の経験則では1カ月ほど前から値動きが荒くなる。今回は過去に例がないほど影響が読みづらいが、波乱の前兆はすでに物色にも表れている。
 相場全体が一進一退を繰り返す中でも、豪企業の買収を前日発表した日立建機は年初来高値を更新した。同業のコマツも高値圏にあり堅調さが目立つ。中国など新興国景気の持ち直しが追い風だが、新たな買い材料も加わり始めている。米国のインフラ投資だ。
 米国市場では大統領選の結果を予想した取引が増えている。中でも、トランプ候補が貿易や移民問題で攻撃するメキシコ株の上場投資信託ETF)は「トランプETF」とも呼ばれ、市場が見る当選確率を示す指標になっている。
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 ETFでは「iシェアーズ グローバル・インフラETF」への関心が高い。クリントン候補は2750億ドル約28兆円)と戦後最大のインフラ投資を掲げている。この ETFは日本株も3%組み入れ、日本のインフラ関連株への買いにもつながっている。
 インフラ関連人気は、日本固有の事情も絡んでいる。金融政策の限界が指摘され、緩和に代わるテーマの一つとして財政拡大が浮上しているのだ。「追加緩和に反応してきた不動産株などの動きは止まる」アセットマネジメントOneの岡本佳久チーフアナリスト)とされる。
 9月下旬、北米の投資家を訪問した野村証券の前川健太郎アナリストは、日本の公共事業費の増加への関心の高さに驚いた。「マクロ経済・政策の方向性から個別株への投資機会を探る投資家が、財政出動をテーマにしている」という。
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 選挙の本番はまだこれから。結果が与える影響も見通しにくい。トランプ候補が勝ち、メキシコとの自由貿易協定を見直せば、メキシコから米国に輸出する自動車など日本企業も大きな影響がある。
 ゴールドマン・サックス証券の建部和礼ストラテジストが過去の大統領選前後における東証株価指数TOPIX)の値動きを調べている。1992年からの6回の大統領選のうち5回は下落し、株価は軟調な 傾向が強かった。世界の株価にも劣後する。選挙日の3週前と1週後の株価を比較すると、平均下落率は5%。現在の日経平均に当てはめると800円強の下げに相当する水準だ。
 クリントン候補が勝てば新エネルギーには追い風だが、薬価切り下げで医薬株には逆風。トランプ候補なら規制見直しで金融機関にプラスと影響は異なる。両候補とも政策に掲げるインフラ投資は「見通しやすさ」が材料になっている。
 ただでさえ揺れやすい選挙前後の相場だが、今回は「英離脱のような大きなショックが起こりかねない」野村証券の久保昌弘セールス・トレーディング一課長)。見通しやすいが故のインフラ株人気は、相場の下抜けに備えた逃避的な買いにも見える。松崎雄典)