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逆張り個人が弱気に――日銀頼み相場、限界見抜く?

 ドイツ銀行問題が一段落し、3日の日経平均株価は反発した。ただ反発力は乏しく、1万6000円台で一進一退が続く。日銀がマイナス金利導入を決めた直後から、日本株の売買代金の7割を占める外国人が売りを主導してきた。ここにきて見逃せないのは、本来は下げ相場で買い向かう個人投資家も売り越しに転じてきた点だ。
 「外国人は利益確定売りの意向が強い」。シティグループ証券の飯塚尚己氏はこう話す。円高が影響し、ドルなど外貨建てベースでみた日経平均が高値圏にあり、利益確定売りを招きやすい。特に英国の欧州連合EU)離脱問題で対円で急落したポンド建ての日経平均は、8月15日に20年ぶりの高値を付けている。
 日本企業の成長期待の乏しさも意識されている。UBS証券富裕層部門の居林通氏は「仮に円高が進まなくても、2018年3月期の企業業績は3~4%増益にとどまり、業績面で相場が大幅上昇するきっかけに欠ける」と外国人売りが止まらない理由を説明する。

 外国人だけではない。株式市場に暗い影を落とすのは、本来は逆張りのはずの個人の売りだ。夏場以降、個人は売り越し基 調が鮮明になっている。
 「いつかはわからないが、こんな異常な相場はどこかで終わる」。こう話すのはハンドルネーム「五月」で知られる個人投資家の片山晃氏34)だ。大株主である医療器具商社、日本ライフライン株が今年急騰し、保有資産は100億円を超えた。だが足元は「複数の銘柄で空売りを膨らませており、差し引きのポジション持ち高)はゼロにしている」という。
 同氏は上場企業の適時開示情報をすべて読み込み、成長株を発掘して資金を振り向けてきた。不安に駆られるのは日銀の金融政策で一部の成長株が異常に割高になり、株式市場がゆがんでいると感じるためだ。
 マイナス金利で行き場を失った投資マネーが債券の代替投資先として株式市場に流入。日銀の上場投資信託ETF)買いも加わり「市場がおかしくなっている」片山氏)。英国のEU離脱決定時の株価急落で買い増したヒロセ通商株の一部を売却するなど、利益確定に動く。

 片山氏のような個人投資家の弱気心理が浮き彫りになっている指標がある。 東京金融取引所が毎週2回発表する日経平均証拠金取引の建玉の買越残高だ。証拠金取引は株価指数先物に似ており、少ない証拠金で取引量を膨らませて利ざやを稼ぐ。個人しか売買しない市場で、セミプロ級とされる人の利用が多い。
 買い建玉から売り建玉を引いた買越残は1月6日から縮小傾向が続く。買越残の縮小は、日経平均がこの先上昇すると予想している人が相対的に減っていることを意味する。9月下旬は配当狙いの買いで一時的に回復したが、9月上旬には今年最低水準になった。
 株式市場は経済の鏡といわれる。日銀がほぼ一手に買い支え、日経平均は円相場との連動性が徐々に薄れてきた。だが、鏡である株価を日銀がいくら磨いても、実体が良くなるわけではないと投資家は冷静に判断している。土居倫之)