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ロボアド成長中、投資の相棒に―先行の米、大手金融機関が参入、「ミレニアル世代」開拓のカギに。

 今年5月、富裕層向け資産運用を手掛ける米国のUBSウェルス・マネジメントは「ロボ・アドバイザー」のベンチャー、米シグフィグとの提携を発表した。年内には7000人を超えるUBSのプライベートバンカーが営業ツールとしてロボアドを活用する見通しだ。ポートフォリオ作りはロボアドに任せて相続や事業継承など本来、力を入れたい分野に集中する狙いがある。これまで小口の個人が多かったロボアドが富裕層にも広がり始めている。
 米国ではロボアドに関して、1990年代後半からのインターネット普及がもたらした証券・運用ビジネスの変革以来の衝撃になるとの見方が強まっている。米コンサルティング大手のA・T・カーニーはロボアドで運用する資産の規模が今年の3000億ドル約30兆円)から4年後の2020年には2兆2000億ドル約220兆円)に膨らむと試算する。その半面、ロボアドが運用業界の価格破壊を主導するため、業界全体の収入は850億~900億ドル失われるとみる。運用手数料は業界平均で年1%程度だが、ロボアドは平均0.3%程度にとどまる。
 市場の担い 手の変化も激しい。いち早くサービスを開発し、提供してきたベンチャー企業が大手銀行や運用会社への身売りや提携に動いている。金融とIT情報技術)を融合させたフィンテックの一つとして話題をさらったロボアドだったが、伝統的な金融サービスの中に組み込まれつつある。
 大手運用会社のバンガード・グループはロボアドを自主開発し、昨年5月からサービスを始めた。自社の低コストのETFを組み込み、瞬く間にロボアド運用のシェア首位に浮上してきた。ロボだけではなく、人間のアドバイザーも運用計画をサポートしてくれる。
 ゴールドマン・サックスは今年3月、ベンチャー企業オネスト・ダラーの買収を発表した。企業年金での利用を狙う。米国では確定拠出年金DC)など従業員用の年金制度を企業が用意していない例が多い。1人当たり月8ドルからの料金でサービスが利用できるようにする。運用大手のブラックロックやインベスコ、ディスカウント・ブローカーのチャールズシュワブ、銀行ではメリルリンチウェルズ・ファーゴといった大手が軒並み参入に動いている。
 各社が狙うのが2 000年前後に社会人になった「ミレニアル世代」だ。スマートフォンなどネットに慣れ親しんだ世代で、対面型のファイナンシャル・アドバイザーよりネットでのサービスを使いたがる傾向がある。「金融機関にとっては相続で資産が増えるミレニアル世代へのマーケティング戦略が重要になっており、そのツールとしてロボアドが注目されている」米国野村の岡田功太研究員)という。
 ロボアドは顧客のリスク許容度の測定やポートフォリオの作成・運用で、アルゴリズムを使うサービスだ。だが今後のサービスの広がりは、この2点以外の領域で高度化しそうだ。
 最近では「データ・アグリゲーション」と呼ばれるフィンテックを付け加えるサービスが出ている。金融機関から、預金やクレジットカード、住宅ローン、年金、保険など顧客の金融資産に関する情報を収集して、一括してロボアドのウェブ上で集計する。顧客にとっては投信などで運用している資産だけでなく、自分が持つ資産全体を見渡して把握することが可能になる。ベンチャー企業のベターメントなどがすでにこのサービスを提供中だ。金融資産のなかで現金が多いと、顧客に投資を 促すといったサービスを展開する。
 自動運用の部分を高度化する動きもある。カナダのレスポンシブ・キャピタル・マネジメントは9月下旬、人工知能AI)を使った運用の提供を始めた。経済指標などを分析し、資産配分を柔軟に変更する特徴がある。