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ETFを使いこなす(1)200銘柄超、タイプ様々―日銀購入で注目も、売買は低調気味、商品の吟味欠かせず

 投資信託よりもコストが低いことなどから、上場投資信託ETF)は中長期の資産形成の中核商品になりつつあります。日銀が量的・質的緩和の一環で2013年4月から買い入れを進めていることでも注目されています。9月の日銀決定会合では、東証株価指数TOPIX)連動のETFの買い入れを増やすなど中身を変えることが示されました。
 ただ、諸外国と比べると日本の株式市場が軟調に推移しているせいか、売買は低調気味です。
 東京証券取引所が公表しているリポートによれば、16年8月の月間売買代金は約3兆4780億円、1日平均だと約1580億円でした。15年8月は月間売買代金は約7兆1629億円、1日平均では約3410億円でしたので、売買代金は半減しています。
上場銘柄数は増加
 一方で上場銘柄数は順調に増えています。16年8月末現在の全銘柄数は204銘柄になりました。ETF市場が本格化した01年から100銘柄になるまで約9年かかりましたが、そこから200銘柄になるまでに要した時間は約6年でした。投資対象が増えることは、投資家にとっては朗報 といえます。
 対象指数の日々の変動率の2倍の値動きが期待できる「レバレッジ型」、対象指数と逆の動きをする「インバース型」、流行のスマートベータを活用した「MSCI日本株最小分散インデックス連動型」など、さまざまなタイプが続々と上場し始めています。
 選択肢が増えた分、選び方により注意し、商品を吟味しなくてはなりません。例えば米国債など外国の債券指数に連動するETFがあります。足元こそ長期金利は上昇傾向にありますが、それまでは金利の低下を背景に債券価格は上昇していました。しかし為替が円高・米ドル安に動いたために、債券指数に連動するETF、外国債券型投資信託の大多数は上昇率がマイナスに沈んでしまいました。ただ、その商品の中でもし「iシェアーズ米国債7―10年ETF為替ヘッジあり)」などを選んでいれば、為替ヘッジが行われているため、純粋に米国債の価格変動を確保できました。
 また、日経平均株価に連動する銘柄がミニを含め8銘柄も上場していたり、上場したものの売買代金が少なくて流動性に難があったりといった銘柄もあり、銘柄数の増加を手放しで歓迎できない面も あります。
 ETF投資信託に比べて運用管理費用信託報酬)が低いのが魅力の一つですが、運用管理費用が低い銘柄だからといってその売買代金が必ずしも多いわけではありません。
 流動性もかなり異なります。日経平均株価連動の8銘柄の16年8月の1日あたりの平均売買代金を比較してみると上場した時期が異なるためやや強引なところもありますが、最も売買代金が多い「日経225連動型上場投資信託」と最も少ない「SMAM日経225上場投信」では、8万倍を超える差があるのです。
 日経平均株価に連動するETFはそれでもまだよいほうで、「ダイワ上場投信・TOPIX―17鉄鋼・非鉄」や「ETFパラジウム上場投資信託」を含む4銘柄をみると、そのなかには上場から5年以上も経過しているにもかかわらず、今年8月の1カ月間で一度も売買が成立していない銘柄までありました。
 売買代金が昨年に比べて半減したとはいえ、ETF市場はJASDAQ、東証マザーズといった新興株市場よりは売買が活発です。でもその活況も、レバレッジETFの上場によるところが大きいのです。
実は短期売買主流
 16年後半以降、「NEXTFUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」は売買代金ランキング1位の座を任天堂などに譲る機会が増えましたが、同ETFの8月売買代金は約2兆1244億円もありました。これはETF市場全体の約61%を占めています。売買代金の上位10銘柄のうち、7銘柄前後はほぼ毎月ダブルインバースタイプを含むレバレッジ型のETFが占めており、また上位3銘柄がETF市場全体の7割強を占めています。
 実は短期売買が主流になっており、低コストに着目した中長期スタンスの投資資金の流入はまだ道半ば。それがETF市場の実態です。
深野康彦ふかの・やすひこ)氏