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危うい半導体株高――数少ない好材料、反動の影

   29日の日経平均株価は228円高で引けた。資源関連と並んで活況なのが半導体関連だ。SCREENホールディングスは19年ぶりの高値、日立国際電気も年初来高値を付けた。足元の収益環境は良好だが、わずかな好材料をはやすのは膠着相場の裏返しでもある。
 29日は日立ハイテクノロジーズも年初来高値を更新、アドバンテストは4%上昇した。半導体関連株への資金流入は世界的なトレンドで、米アプライドマテリアルズはこの1年で2倍、オランダのASMLも3割近く急騰した。東芝は半導体事業の好調で2016年4~9月期上期)業績予想を引き上げた。
 確かに、業績の先行指標となる受注は好調が続く。国内の半導体製造装置7社の上期受注額は9年半ぶりに高い水準を見込む。
 だが、数少ない好材料に資金が集中するのは、日本株全般が膠着相場に陥っている裏返しでもある。コモンズ投信の糸島孝俊運用部長は「半導体関連株を組み入れなければ、運用成績を株価指数対比で競う機関投資家は乗り遅れてしまう」と話す。「半信半疑で買っている」と打ち明けるのは、ある大手証券幹部だ。

思い起こ されるのが2000年のIT情報技術)バブル相場で起きた急激な株高と反動安だ。既にいくつかの共通項が見える。
 一つが業績に照らした株価の割高感だ。景気敏感株の半導体関連株は、成長余地を示すPER株価収益率)よりも、資産面から見たPBR株価純資産倍率)で評価する投資家が多い。日立国際のPBRは2・1倍、スクリンは2・7倍に達する。上場企業の過半数が1倍を割り込むなかでは割高感も漂う。

技術の革新度も真価が問われる局面だ。各社が設備を増強しているのは3次元メモリー。スマートフォンスマホ)の動画保存や、企業のデータセンター向けに大きな需要が期待されているが普及はこれから。
 韓国サムスン電子は年内に、東芝も来春までにそれぞれ量産計画を打ち出している。「ITバブル当時のような根拠なき熱狂ではない」SMBC日興証券の嶋田幸彦氏)との声をよそに、メモリー市場が普及期に入る2、3年後には「競争の軸が技術から価格にシフトするのは明白だ」 アナリスト)。その歴史はパソコン用DRAMと重なる。既に米半導体株指数には一服感も出ている。東京市場でも半導体関連株が消去法で買われ、その反動が一気に吹き出したとしたら……。
 相場格言は「まだはもうなり、もうはまだなり」という。相場はもう天井かなと思った時はまだ一段高の可能性があり、逆にまだ上昇余地があると思った時は、もう天井かもしれないという経験則だ。日本株は海外投資家が離れ、日銀が下値を支える構図が続く。「いま唯一の買える業種」三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)が失速すれば、相場全体への影響は避けられない。投資家はいつか来た道を繰り返すのだろうか。藤原隆人)