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ひとり気吐くゲーム株――任天堂、市場評価は定まらず

 28日の日経平均株価は反落し、高値で引けた前日の流れを引き継げなかった。欧州の銀行不安や国内の長期金利低下が重荷となって銀行株の下げが加速。円高進行への警戒感もあり、積極的に買い向かうムードは見られない。手詰まり感の漂う相場でひとり気を吐いているのが任天堂を中心とするゲーム関連株だ。
 この日の任天堂株は前日比小幅高の2万7130円としっかり。大相場となった7月後半以降は調整したが、足元で下値を切り上げている。「7月19日に付けた年初来高値3万2700円)を試す展開もあり得る」三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)との声もある。
 改めて注目を集めるのは任天堂の持つコンテンツの競争力の高さだ。「ポケモンGO」にとどまらず、今後も米アップルの「iPhone」向けゲーム「スーパーマリオラン」、新型ゲーム機「NX」などの投入が予定されている。「有力な株価材料がここから相次ぐ」みずほ証券の小山武史氏)

 任天堂だけでない。ソニー、DeNA、バンダイナムコホールディングス――。 足元でゲーム関連株は軒並み堅調に推移している。投資テーマとなっているのは「仮想現実VR)」「拡張現実AR)」だ。米ゴールドマン・サックスは、25年にVR・AR関連の世界市場が950億ドル約9兆5000億円)に拡大すると予想する。ゲームの枠を超える可能性があり、関連銘柄への期待は高い。
 だが、その中核である任天堂株に対する市場の目線は依然定まっていない。アナリストの目標株価は野村証券の1万5200円から三菱UFJモルガン・スタンレー証券の4万300円まで大きく開きがある。
 UBS証券の武田純人氏は「新型ゲーム機に関する情報は限られている。どれだけ収益貢献するか見えず、株価に示されている長期の成長期待は過大だ」と指摘。目標株価を1万5600円、投資評価を「セル売り)」とする。
 一方、東海東京調査センターの栗原智也氏は「任天堂は世界有数の知的財産ホルダー。新型ゲーム機を無事に投入できれば、収益の拡大局面に突入する」と期待する。目標株価は3万5000円、投資評価は「アウ トパフォーム強気)」だ。

アナリストの評価は分かれているとはいえ、株価は07年に付けた上場来高値7万3200円)に遠く及ばない。「任天堂はコンテンツなど非財務情報の比重が大きく、企業価値を評価しにくい」ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏)。そこに、「流れについていかなければ運用成績を確保できない」国内投資顧問)という悩みが加わる。
 浮き沈みの大きいゲーム株はそういうものだと言ってしまえばそれまで。それでも、少しでも投資機会はないのか、投資家は知恵を絞っている。金融政策や為替動向ばかりに振り回される現状に照らせば、ゲーム株を巡る知恵比べはよほど健全なのかもしれない。
平沢光彰)