儲ける&儲かる!株式投資

厳選推奨銘柄を大公開。CFP(R)が株の買い方を解説。毎日訪問で初心者が株取引のプロに。

10月17日の投資

TOPIX(前日比):プラス1.54%

TOPIX(前年末比):マイナス5.70%

最高:1月23日、プラス5.14%

最低:3月23日、マイナス8.40%

 

資産成長率(前日比):プラス1.31

資産成長率(前年末比):マイナス7.69%

最高:1月23日、プラス5.09%

最低:8月13日、マイナス9.94%

 

売り:4839。

買い:なし。

 

大きく反発しました。

10月16日の投資

TOPIX(前日比):プラス0.74%

TOPIX(前年末比):マイナス7.13%

最高:1月23日、プラス5.14%

最低:3月23日、マイナス8.40%

 

資産成長率(前日比):マイナス0.20

資産成長率(前年末比):マイナス8.89%

最高:1月23日、プラス5.09%

最低:8月13日、マイナス9.94%

 

売り:なし。

買い:なし。

 

厳しいです。

10月15日の投資

TOPIX(前日比):マイナス1.59%

TOPIX(前年末比):マイナス7.82%

最高:1月23日、プラス5.14%

最低:3月23日、マイナス8.40%

 

資産成長率(前日比):マイナス1.23

資産成長率(前年末比):マイナス8.71%

最高:1月23日、プラス5.09%

最低:8月13日、マイナス9.94%

 

売り:なし。

買い:なし。

 

ダメですね。

働き続けるシニア世代のリアル

現役世代の未来図

年金財政の逼迫で到来する「無定年」時代。当然、働き手にも企業にも変革を迫る。まずは働き続けるシニア世代のリアルから見てみよう。それは現役世代の未来図でもある。

 老後の生活の糧を年金ではなく、自らの働きに頼る「無定年」時代を生き抜くには、どんな備えが必要だろうか。多くの企業で50代に訪れる役職定年が長く働き続ける人生を考える一つのきっかけとなるはずだ。

 大半の社員が役職を解かれ、賃金はそれまでより3~5割減る役職定年。閑職に追いやられるのを憂うのではなく、自分の将来を切り開くステップとして生かすことで、「無定年」時代は充実したものになるかもしれない。

 早い段階からの備えの重要性を教えてくれるのが、室芳樹氏(57)のケースだろう。

中小企業診断士仲間の櫻田登紀子氏(左)とビジネスプランを話す室芳樹氏(写真=北山 宏一)
室 芳樹(57)
役職定年を機に今年3月に退職。
中小企業診断士として働く道を選んだ。
収入23万円 支出41万円
仕事の報酬 0~2万円 生活費など 18万円
失業保険給付 21~23万円 社会保険負担 6万円
税金 4万円
住宅ローンなど 13万円

 室氏はもともと日本の大学を卒業した後、米国に留学し、大手家電メーカーで海外営業畑を歩んだ。だが、海外勢との競争激化で業績が悪化。48歳の時、早期退職制度を利用して退職し、当時の上司の紹介でプリンターメーカーに転じた。この会社ではそれまでのキャリアを評価されて経営戦略や中国事業を任されたものの56歳での役職定年を迎えたのを機に今年3月に退職、独立する道を選んだ。

 背中を押したのは40代の時に取得した経営コンサルタントの国家資格、中小企業診断士だ。海外営業で培ったスキルを武器に海外市場開拓を目指す中小企業を支援する仕事を手掛けようと考えた。

 とはいえ、単に「夢を追う」わけではない。まだ住宅ローンが残っている。子供も小学6年生とこの先も教育費はかかる。室氏は綿密に将来の収支をシミュレーションした。

 まず、前提に置いたのは100歳時点でも生活ができること。そして、自身の資産や貯蓄と、将来、受け取る年金の予想受給額から見込まれる収入を計算し、生活費や医療費などの想定支出額と照らし合わせた。65歳以降に年300万円ほど受け取れるはずの年金については、70歳までは貯蓄に回すことを条件にした。「健康なうちは働き続けたいから」と室氏は話す。

 そのシミュレーションからはじき出されたのが、少なくとも70歳までは仕事で年300万円は稼ぐ必要があるということだった。もちろん、大手企業でキャリアを積んできたからといって、すぐに室氏が仕事に就けるほど甘くはない。「中小企業診断士としての臨時収入はこの半年で10万円程度。退職してからの11カ月間は失業保険の手当が月に最大23万円あるが、年金や医療保険、介護保険の負担や税金などで毎月10万円近くが消えていく」。室氏の妻も働いてはいるが、「貯蓄を取り崩しているのが現状」だ。

 不安定な収入の室氏を同じ診断士仲間の櫻田登紀子氏(56)が励ます。「私も最初は苦労した。でも10年目で前職並みの収入になった」。大手企業で販売・宣伝のキャリアを積んだ櫻田氏はまずは潜在顧客となる中小企業経営者とのネットワーク作りが大切と説く。室氏もこう応じる。「今は将来に備えた『種まきの時期』だ」

 役職定年を一つの区切りに独立の道を選んだ室氏。一方で、定年後も会社に再雇用されて、とどまり続ける道もある。ただ、すんなりと再雇用される保証もない。それを示すのが、都内の研修会社を昨年、定年退職した松本宏氏(仮名、61)の例だ。

新人事制度で暗転

 松本氏は新規事業開発を担当するマネージャーとして活躍してきたが、57歳に役職定年を迎えると、年収は半減。子供はおらず、自宅のローンも完済していたので日常生活には困らなかったが、予想外の展開が待っていた。

 役職定年と前後して就任した新社長が、会社への貢献度を「S・A・B・C・D」の5段階で評価する新しい人事制度を導入したのだ。

 松本氏の自己評価は「B」。マネージャーとして部署を引っ張ってきた自負があった。ところが言い渡されたのは最低評価の「D」。「経営方針を巡って新社長と対立することが多かったので、狙い撃ちにされた」。松本氏はそう話す。

 この会社では60歳の定年後、65歳まで再雇用する制度があった。しかし、新人事制度では、D評価の社員には再雇用を認めない付帯条項があった。

 92歳になる父親の介護もしなければならなかったため、松本氏は納得する形ではなかったが、会社を去る。年金の受給が始まる62歳まで、どう生計を立てるのか。月20万円の父の年金に頼り切るわけにもいかない。

 役に立ったのが、在職中に取得した「キャリアコンサルタント」や「産業カウンセラー」の資格だった。市民講座などの講師として、毎月数万円の収入が得られる。「在職中に何年もかけて準備してきたことが、今、身を助けている。仕事を失ってから『どうしよう』では遅い」と警鐘を鳴らす。

 働き続けることが前提の「無定年」時代には、無事に再雇用されても安泰とはいえない。多くの場合、厚生年金の受給開始年齢に併せて雇用が打ち切られるからだ。警察官だった山田孝一氏(仮名、64)のケースを見てみよう。

山田氏は、趣味の盆栽を生かし、庭師の仕事も請け負う(写真はイメージ)(写真=maroke/Getty Images)
山田 孝一(仮名、64)
58歳で早期退職。
嘱託職員として4年勤務の後、転職。
収入45万円 支出28万円
仕事の報酬 20万円 生活費 20万円
生年金受給額 25万円 税金など 8万円

 山田氏は2012年、30年以上勤めた職場を早期退職した。公務員改革の一環で退職金は年々減る一方。ならば、少しでも多くもらえる早期退職を選んだ。転勤の多い警察官の仕事では、高齢の母の面倒を十分見られないのも大きな理由だった。

 2900万円の退職金のうち1700万円を住宅ローンの返済に充て、残りは貯蓄に回した。とはいえ、これでリタイアしたわけではない。早期退職後も、転勤のない嘱託職員として64歳まで残ることができる。この制度を利用して働き続けることにした。給与は18万円と現役時の半分以下。共済年金14万円と合わせて32万円が主な収入源だ。趣味の盆栽を生かして、週末は庭師の仕事もこなし、わずかながら収入の足しにすることもある。

 問題は嘱託職員の期間が終了する64歳以降だ。年齢が高くなればなるほど求人は減り、仕事はなくなる。それが現実だ。早めに手を打っておかなければ働き続けられない。山田氏は嘱託で働き始めた3年後から考え始めた。「収入を年金だけに頼る生活は考えられなかった。だって、将来減らされてしまうかもしれないでしょう」64歳以降の職場として希望したのは待遇面は嘱託時代と同水準で、社会保険にも加入し、厚生年金も払い続けられるところ。年金を払い続けられれば、本当にリタイアした時に得られる年金額も増えるからだ。

 そうして見つけたのが、ギョーザ製造工場の仕事。17年から週5日、朝5時半から午後2時半までギョーザやシューマイの製造ラインで働く。工場には70歳を過ぎても働いている人がいるという。「警察官時代の仕事とはまったく違うからすべてが新鮮」。山田氏は過去のキャリアにこだわらず、とにかく長く続けられる仕事を探し、将来に備える。

健康であり続ける

 「無定年」時代を生き抜く上では健康であり続けることも肝心だ。年齢を重ねるほど、医療費も膨らむもの。医療費がいくらかかるかで、家計の収支は黒字にも赤字にもなるからだ。将来、いつ来るともしれない「年金激減」に備える上でも、健康寿命を延ばし、医療費をできるだけ抑えることが必要になる。

 84歳ながら「今も医療費ゼロ」と胸を張るのが田中茂雄氏だ。「体が資本と思い、規則正しく寝起きし、腹八分を心がけ、酒もたばこも控えてきた」

ワタミの宅食の配達スタッフとして働く田中茂雄氏
田中 茂雄(84)
ワタミの宅食の配達スタッフとして活躍する
収入18万円 支出8万円
仕事の報酬 6万円 生活費など 7万円
生年金受給額 12万円 医療費 0円
遊興費 1万円

 食事の宅配サービス「ワタミの宅食」の配達スタッフとして平日は毎朝9時に自宅から自転車で10分の蒲田営業所(東京・大田)に出勤する。その後、配達用の電動自転車にまたがり、近隣の25軒ほどの契約者の家を回って、弁当を届ける。配達を終え、営業所に戻るのは正午。毎日3時間の勤務だが、酷暑に見舞われた今年の夏は、「毎日、全身汗でびしょびしょになるほど大変だった」と笑う。

 元気に働き続けられたのは、それまでの働きぶりが影響している。大学卒業後、勤めたのが都内の酒問屋。47歳の時、生まれ育った東京・蒲田で知人が営む酒屋が、跡継ぎがいなくて悩んでいることを知り「脱サラ」を決意、事業を引き継いだ。1980年ごろのことだ。 当時、近所に大きな鉄工所があり、終業後に工員たちが職場で「一杯」飲んで帰ることが多かった。「あの頃はずいぶん稼がせてもらった」と田中氏は振り返る。しかしそれも長くは続かなかった。90年代に入り、大手スーパーや業務用酒販店などが台頭。「うちの仕入れ値と同じ値段が向こうの小売価格になる。値段では勝負にならなかった」。ほどなくして、上得意だった鉄工所も郊外に移転。売り上げは大きく落ち込み、雇っていた2人のアルバイトもいらなくなった。

 夫婦2人で細々と店を営んでいたが5年前、79歳の時に店の電気代も満足に支払えなくなる。それを機に30年以上地域に愛されてきた店を閉じた。

 年齢的には十分「引退」してもおかしくなかった。田中氏もそのつもりで2カ月余り、自宅で過ごしていたが、苦痛で仕方なかったという。「テレビを見ても、読書をしていても、内容が一つも頭に入ってこない。働いていないことに耐えられなかった」。そんな折に、ワタミの宅食の求人情報を目にした。酒屋時代に商品の配達をしていた経験が生かせると思った。

 田中氏は、会社員時代に加入していた厚生年金を合わせて、月に約12万円を受給している。ローンを完済した持ち家に妻(77)との2人暮らしで月々の生活費などは7万円程度。「ぜいたくといえば、3カ月に1度、1人1万5000円ほどの1泊2日のバス旅行に参加することくらい」。田中氏が宅配の仕事で受け取る報酬は月6万円ほどだが、夫婦とも健康で医療費などもほとんどかからないため、「年金だけでも十分に暮らしていける」という。

 それでも働き続ける理由は何なのか。田中氏は、「心と体の健康のため」と話す。毎日規則正しく起きて、数kmの距離を自転車で配達に回る。それが健康維持につながっている。

 それ以上に大きいのが、地域の人から必要とされている実感を得られることだ。配達先は、田中氏と同年代の高齢者が大半を占める。そしてその多くが単身世帯。「昨日から誰とも話していないんだよ」。一人暮らしの高齢の利用者から、そんな声を聞くこともしばしばだ。仕事を通じて地域を支えているという誇りが、田中氏が働き続ける原動力になっている。

 「生活のため」「生きがいのため」「健康のため」。シニア世代が働き続ける理由は人それぞれだ。だが、確実に言えるのは、働き続ける人がこれからもどんどん増えていくということ。今の現役世代も遠からず、これまでに紹介したシニアのように働き続ける日が来る。

 では、雇う側は「無定年」時代にどう備えているのか。次章ではシニア活用先進企業の取り組みと、見えてきた課題を紹介する。

受給開始年齢、各国で引き上げ

 国民年金を受け取る年齢が65歳の日本。年金財政が逼迫し、将来の年金額の減少が確実視されるが、同様の問題を抱えるのは日本に限らない。高齢化が進む先進国を中心に年金支出の負担は増しており、年金を受け取れる年齢を引き上げる国が目立つ。

 右のグラフは日本年金機構がまとめた主要各国の年金制度の比較表(2017年8月1日時点)から日経ビジネスが抜粋、作成したものだ。日本とほぼ同じ65歳台を受給開始年齢にしているのがドイツやスペイン、オランダ、オーストラリアだが、これらの国ではすでに67歳への段階的な引き上げが始まっている。

多くの国で年金を受け取れる年齢が上がる
●年金受給開始年齢の国際比較
出所:日本年金機構の資料を基に本誌作成
[画像のクリックで拡大表示]

 気になるのは各国の年金財政がどれくらい健全なのか。米コンサルティング会社マーサーがまとめる「グローバル年金指数ランキング」が参考になる。各国の年金制度の積立金や個人貯蓄の状況などを調べ、「十分性」「持続性」「健全性」で指数化したものだ。最新の17年度版によると、調査した30カ国で1位はデンマーク。オランダ、オーストラリアが2位、3位で続く。最下位はアルゼンチンだった。

 日本はどうか。下から2番目の29位。「持続性」に対する評価が低いことが響いているという。

 各国の国民は将来不安をどう解消しているのか。同ランキングで日本を上回る26位の中国では「親が子供の教育に熱心なのは競争社会の側面もあるが、出世していい収入を得て、老後の面倒をみてもらいたいという気持ちもある。地方では特にその傾向が強い」(三菱総合研究所の劉瀟瀟研究員)。政府が「生涯現役時代」を唱え、働き続けることを前提にする日本。年金財政が破綻するようなことがあれば、中国のように「子供頼み」になる日が来る?

働きたくても働けない
介護離職者の壮絶な戦い

 『いずれ生活保護を受けることになるかもしれない』。そんな不安が毎日頭から離れない」

 そんな苦しい胸の内を明かすのが、東京都某市に住む、大久保礼子さん(仮名、53)だ。一般事務の正社員として働いてきたが、認知症を患う母(82)を在宅で介護するために、4年半前に会社を退職した。大久保さんは独身。親戚とも疎遠のため、たった1人で母の介護に明け暮れる。いわゆる「ワンオペ介護」だ。

 収入源は、1カ月当たり12万円支給される母の年金のみ。そこから、毎月9万円ほどの生活費と、母が週3日通うデイサービスや介護施設に短期宿泊するショートステイや医療費などで、月1万5000円ほどかかる。その他の雑費を差し引けば、手元に残るお金はほとんどない。

 正社員として働いていたころは、年収350万円ほどあった。しかし、15年余り前に母が認知症を発症。糖尿病やがんを患いながらも母を介護してきた父が、4年半前に他界したのを機に、介護に専念することを決断した。会社を辞め、一人暮らししていた部屋を引き払い、母との同居生活が始まった。

 認知症を持つ家族を自宅で1人で介護するのは、さながら「戦争」だ。3食の用意や身の回りの世話はもちろん、町内を徘徊して警察に保護されることも何度もあった。そのため、母の顔写真を貼り、住所や連絡先を書いた紙を、近所の交番に配った。気分のむらも激しく、激高して手元にあったものを顔に投げつけられ、鼻先がぱっくり割れるケガを負ったこともある。「仕事との両立なんて到底無理」。そう話す大久保さんは、こう続ける。

施設に入れるなんてできない

 「自宅を売るなりしてお金を用立てて、介護施設に入居してもらえば、仕事を辞めずに済んだのかもしれない。でも、父を亡くしてつらそうにしている母が『これからも家で暮らしたい』と言った時、無理に施設に入れることなんて私にはできなかった」

認知症の母を介護するために離職した大久保礼子さん(仮名、53)

 実は、大久保さんには3歳下の妹がいる。しかし今は“絶縁状態”だという。以前から、離れて暮らしながらも両親の世話を一身に負ってきた大久保さん。一方の妹は「親は介護施設に入れればいい」と積極的に関わろうとはしなかった。父が亡くなった後、その妹が「遺産は均等に相続すべき」と主張して譲らなかったため、ついに関係は決裂した。「ほかに身内がいても、上手に手分けして介護をするのは難しい。誰かにしわ寄せがいく」。そのために離職までした大久保さんは、母の相続の際は「譲れない」との思いを募らせる。

 母にはいつまでも健やかであってほしい。しかし最近、ふと母が亡くなった後の自分の将来を思い、どうしようもない不安に駆られることが増えたという。母が亡くなれば、唯一の収入源である年金もなくなる。

 昨年から派遣社員の求人などを探し始めたが、がくぜんとした。50歳以上で応募できる求人が思っていたよりずっと少なかったのだ。「離職した時はまだ40代。当時は、離職後の再就職がこんなに厳しいなんて、想像していなかった」

 飲食店のアルバイトも当たってみたが、面接まで進むものの、「親を介護している」というと店長の顔が一転して曇るのが分かった。「親の体調不良などで、『シフトに穴を開けられかねない』と思うんでしょうね。そういう時は決まって不採用になるので、もう介護中であることは隠すようにしている」

 最近、そんな大久保さんの目に留まったアルバイトの求人がある。食品工場の深夜の出荷作業だ。勤務時間は夜11時から朝8時まで。「時給1200円」に心が動いた。「でも、昼間は介護で、夜は仕事では『過労死』してしまう」と応募をためらっている。

 「母が亡くなった時、『私はここまで介護をやりきった』と胸を張れると思う。でも、その先も続いていく私の未来は、誰が保証してくれるんだろう……」。大久保さんはそう言って肩を震わせた。

定年が近づく前に確認しよう
あなたの老後生活 健全度チェック
定年時点で退職金を合わせた貯蓄額が3000万円以上か
はい
いいえ
定年後の年間収支、不足の程度は
定年後の報酬 + 世帯の公的年金額*
ー支出見込み額 (旅行、冠婚葬祭と いった特別支出含む)= 不足額
*=65歳以下は厚生年金の報酬比例部分のみ
不足額が100万円以内
不足額が100万円超
定年後の仕事の報酬の程度は
現役時の6割程度より上
現役時の半分程度
現役時の4割程度より下
診断方法
3つの質問に回答し、それぞれの回答から得られる点数を合計する。
10点0点
8点2点
10点5点2点
診断結果
24点以上
安全レベル
ぜいたくしないように気をつければ、65歳以降は働くペースを落としてもよい。
19~23点
普通レベル
支出が増えないように気をつけつつ、ゆとりのある生活のために働く。70歳以降はペースダウンしてもよい。
11~18点
やや危険レベル
支出を現役時と比べて1~2割減らしつつ、なるべく現役時の半分程度の収入は確保できるよう妻にもパート・アルバイトなどしてもらう。
10点以下
危険レベル
支出を現役時と比べて最低3割は減らしたい。収入を増やす努力も相当必要。体力のある限り毎日働くのみならず副業や妻のフルタイム就労もできるだけ視野に入れて。

 現役時代と同じくらいガツガツ働くのは体力的にきついけど、老後の生活資金が不足するのも心配──。自分はどの程度働けばお金の不安から解放されるのか。簡単に診断できる方法を、50代向けに定年後の生活設計について数多くのアドバイスをしてきたファイナンシャルプランナーの馬養雅子氏に聞いた。

 まずは定年時点で、退職金と合わせて貯蓄が3000万円以上あるか確認したい。そして次に、年金、再雇用後の給料など、定年後の収入から支出を差し引いた不足分が100万円以内に収まっているか、チェックしよう。「不足額を100万円以内に抑えられれば、貯蓄3000万円を30年かけて取り崩すことで対応できる」と、馬養氏は話す。

 貯蓄が少ない、もしくは支出が100万円を上回る場合は、働く頻度を増やすか支出を抑える努力が求められる。再雇用後の給与水準が現役時代と比べて著しく低下している場合も同様だ。もっとも馬養氏は「老後は冠婚葬祭費用や病気になった際の医療費、子供への援助など、特別出費も多くなりがち。貯蓄があっても元気なうちは働いた方が気持ちのゆとりが生まれる」と話す。働ける分だけ働いて、損することはなさそうだ。

年金崩壊カウントダウン

2050年代に積立金は枯渇か

公的年金積立金が2050年代に枯渇するとの試算が出てきた。現役の所得に対する年金給付率は50%を割り、高齢者の生活を揺るがす。政府見通しのままでも「年金額」は大幅縮小。高齢者は長く働く社会になる。

(写真=読売新聞/アフロ)

 この春に晴れて社会人になった若者たちが不安を募らせている。

 将来の年金は老後の収入として期待できない──。産業能率大学が毎年、新入社員を対象に実施しているアンケート調査。今春の調査で、将来支給される年金(国民年金・厚生年金など)を老後の収入としてどれくらい期待しているかを聞いたところ、24.9%が「期待していない」と回答。「どちらかといえば期待していない」(37.3%)を合わせると、年金を当てにしていない新入社員は実に6割超に上った。

積立金は約100年かけて取り崩すことになっているが……
●厚生労働省の公的年金積立金の残高推計*1と
創価大・中田大悟准教授らの積立金残高推計*2
*1=厚生労働省の2014年の年金財政検証で標準ケースとみられるもの(ケースE)を使った。合計特殊出生率、死亡率はそれぞれ中位推計。最終的な所得代替率は50%を維持する見通しの場合。物価上昇率は1.2%、実質賃金上昇率は1.3%(名目2.5%)、実質運用利回り3%(名目4.3%)、数字は厚生年金と国民年金の積立金推計の合計 出所:厚労省の2014年財政検証を基に本誌作成
*2=日本総合研究所の西沢和彦・主席研究員と創価大学の中田大悟准教授の推計を基に本誌で積立金の推移をイメージ化した。図は2人の作成ではなく、あくまでも概念図。推計は厚労省の財政検証より現実的と考える経済前提で実施。物価と賃金の上昇率を2013~17年平均のそれぞれ0.44%とし、運用利回りは年金積立金管理運用独立行政法人の01~16年の通期利回り2.89%を使った。結果、積立金は国民年金が51年、厚生年金が55年枯渇となった。
[画像のクリックで拡大表示]

 少子高齢化社会の日本。現役世代が負担する保険料を高齢者の年金に充てる「世代間扶養」を基本とする中、現役世代はどこまで高齢者を支えられるのか。それは今の現役世代が将来、年金をきちんと受け取れるのか、ということでもある。

 そもそも、年金の財源はどうなっているのか。2018年度予算での高齢者へ支払われる年金給付総額は55.1兆円に上る。このうち7割に相当する38.5兆円が、現役世代からの保険料収入。自営業者であれ、無職であれ、20歳以上60歳未満の国民が加入する国民年金と、会社勤めの従業員と雇用主が折半して負担する厚生年金から賄われる。さらに2割強の12.7兆円分は税金で、それでも足りない分を過去の公的年金の余剰資金からなる年金積立金で補う。

 政府は「100年後も安心だ」とうたう。上に示した棒グラフの年金積立金を見ていただきたい。確かに2110年度も積立金が残っている。この額は公的年金の給付額の1年分に相当し、2110年度以降はこの規模で安定するとしている。

今夏、示されたある試算

 だが、本当に大丈夫なのか。その漠然とした不安が冒頭の新入社員アンケートの結果にも表れているのではないだろうか。

 今夏、ある試算が示された。2051年には国民年金の積立金、55年には厚生年金の積立金が枯渇する可能性がある──。西沢和彦・日本総合研究所主席研究員と中田大悟・創価大学准教授が示したものだ。

 100年先はおろか、50年も持たない。なぜ、ここまで差が出るのか。まず、政府が試算の前提とする経済状況が実態から乖離(かいり)していることが大きい。詳細は上のグラフの注釈を参照していただきたいが、物価上昇率や賃金上昇率、積立金の運用利回りなどが政府試算は楽観的なのだ。現実的な経済環境を踏まえれば、積立金の取り崩しペースはもっと速い。

 政府がそもそも「100年後も安心」と唱える裏には、給付額を抑制する仕組みを導入していることがある。「マクロ経済スライド」と呼ぶもので、04年の年金改革時に取り入れられた。それまでは前年の賃金や物価上昇率に応じて年金額を改定してきたが、04年改革以後は、そこから労働力人口の増減や平均余命の伸びを基に決めた1~2%程度の抑制分(スライド調整率)を差し引いて給付額を決める方法にした。

 例えば、前年の賃金上昇率が0.5%で、スライド調整率が1%なら、差し引き0.5%のマイナス。給付額もこの分、減る。こうすれば、年金受給者が増えても給付額の膨張を抑えられ、積立金を取り崩すペースも遅くなる。結果、100年後も積立金が枯渇することはない、というのが政府の見立てだ。

 ところが、給付抑制策にはある縛りがかけられている。前年度の名目給付額を下回らないようにする「名目下限措置」だ。上記のようなケースでは給付額は前年と同じになる。だが、デフレ環境下で賃金上昇率がずっと抑えられてきたため、マクロ経済スライドは実際には15年の1回しか機能していない。この結果、年金給付額は当初想定よりも“過払い”になっており、その分、積立金を減らしている。

 前述の西沢氏と中田氏の試算は「名目下限措置」を残したまま、現実的な数値に基づいて試算している。その結果、予測される50年代前半での積立金の枯渇。その後は文字通り、悲惨な状況が待ち受ける。

 厚生労働省はこれまでマクロ経済スライドによる年金財政の調整は、43年ごろに終了できるとしていた。その際、個人に渡す年金額の水準を、「夫が40年間会社員で妻はその間専業主婦」というケースを標準世帯として夫婦合計で現役の月額収入の約50%と算出した。現役世代の月額収入に対する年金額は所得代替率と呼ばれるが、中田氏らの試算では、積立金が枯渇する51年に54.2%の所得代替率が翌52年には一気に36.1%に急落するという。

 こうした「未来」が見えるからこそ、中田氏らは名目下限措置を外し、マクロ経済スライドを適切に実施する必要があると指摘する。そうすれば所得代替率は46.8%と許容範囲にとどまり、公的年金の機能は維持されるという。

モデル世帯で月額17万円

 もし、これができなければどうなるか。ここは中田氏らの試算ではないが、単純計算で厚労省の見通しと比較すると約7割の水準になる。厚労省の推計ではモデルケースで標準世帯の1カ月受給額は24.4万円だから約17万円しか受け取れなくなる計算になる。

 今後も医療費や介護保険の自己負担が増すのは確実。健康寿命が延び、「人生100年」といわれる中で貯蓄に手をつけにくくなるとすれば、働き続ける必要性が増す。

 とはいえ、こんな事態が起きるのは30年以上先のこと。まだ、現実感を持って受け止めがたい、という読者もいるだろう。ところが、現実社会はもっと速いペースで、「働き続ける」よう促している。

今後、国民年金だけの世帯などがさらに厳しい環境に……
●2014年とマクロ経済スライド適用後の標準世帯の年金額(月額)の推移
注:2014年の財政検証から。年金額は標準世帯の夫婦合計。
将来の年金額を現在価値に換算したもの
出所:ニッセイ基礎研究所の中嶋邦夫・主任研究員の資料を基に本誌作成
[画像のクリックで拡大表示]

 実は政府は今年初め、厚生年金の支給開始年齢を個人の選択で70歳超に先送りできる制度の検討に着手している。現在、厚生年金は段階的に支給開始年齢が引き上げられており、男性は25年度、女性は30年度から65歳になる(国民年金は1961年の制度発足以来、65歳支給)。

 一方で現行制度では、シニア自身が60~70歳の間で受給開始時期を選ぶことができるが、これをさらに70歳超まで延ばしていこうというものだ。支給開始を70歳超に延ばした受給者には、支給額を従来より上乗せすることも検討しており、先送りのインセンティブにするとみられる。

 背景にあるのは年金問題と人手不足だ。「現役世代ともいえる生産年齢人口(15~64歳)は96年以降減り続けている。一方で、ここ5年は景気回復で人手不足も続いている。高齢者に働いてもらうことは日本経済には必要なこと」。自民党で厚生労働政策を実質的に動かす厚労部会の会長、橋本岳・衆院議員はこう話す。

 さらに言えば、「働き続ければ、年金の加入期間が長くなる。保険料を払う人が増えれば、年金財政に貢献する」(橋本衆院議員)。政府は年金財政を健全化するためにも、「働くシニア」を増やそうと意気込む。

働かざるを得ない高齢者

 そして経済環境の変化は、さらに大きな力で高齢者を動かす。

 「現役時代は、ずっと高校の非常勤講師や予備校で1年更新の講師をしていたから今は月額5万7000円の国民年金だけ。妻が昔は会社員だったから13万円ほど。厚生年金があるから何とかやっていけているが、これが減ることになったら大変だ」

 東京都練馬区の佐々木和夫さん(仮名)はそう言って顔を曇らせる。72歳。3年前に胃がんの手術を受けて体力がめっきり落ちたと嘆くが、心配のタネはむしろ年金にある。「マクロ経済スライドを実行したら(国民年金と共通の)基礎年金がかなり減るっていうけど……。大丈夫なのかな」

 佐々木さんの不安をかき立てているのは、年金給付抑制策であるマクロ経済スライドが実行されれば、基礎年金の縮小額が大きくなるといわれる点だ。公的年金はこれまで、国民年金と共通の「1階部分」の基礎年金の場合、物価や賃金の変動の状況によってどちらかを基準に給付額を動かす仕組みとなっていた。一方、「2階部分」に当たる厚生年金の報酬比例部分は賃金の変動に応じてその額を動かしてきた。

 ところが、90年代後半から賃金下落が目立ち始めた。基礎年金では賃金より下落幅が小さい物価変動に合わせて調整されることが多くなり、「基礎年金の方が2階部分より“過剰給付”になっていた」(厚生労働省年金局のある元幹部)。

公的年金を議論する厚生労働省社会保障審議会年金部会(写真=時事)

 2016年の年金制度改正でこのゆがみは是正されることになったが、今後マクロ経済スライドが実施されると、今度は基礎年金部分の縮小がより大きくなるとみられている。

 その状況を端的に示すのが上のグラフである。これは14年の政府の財政検証を基にニッセイ基礎研究所の中嶋邦夫・主任研究員がまとめたもの。将来の年金額を現在の価値に換算している。出生率は維持するが、物価上昇率0.9%、賃金上昇率1.9%など経済は低成長という現実的なケースである。

 現役時代の賃金で3つのクラスに分けているが、どの場合も基礎年金の削減幅が大きくなっている。注目されるのは現役世代の賃金が低い世帯ほど年金収入額の減少割合が大きくなっている点だ。これは賃金が低い人ほど、厚生年金の報酬比例部分の割合が小さく、基礎年金の割合が大きくなるためだ。前出の佐々木さんは左のクラスに近い。

 もちろん、佐々木さん自身に今すぐこの変動が起きるわけではない。しかし、マクロ経済スライドが毎年実施されれば、着実に縮小へ向かうことになる。そうなれば中・低年金層ほど働かざるを得なくなる。いわば年金改革が「逆進性」を引き起こす皮肉な状況なのだ。

定年後、働かないと毎月赤字に
●世帯主が60歳以上で無職の2人以上世帯の家計収支(月額ベース)
出所:総務省がまとめた2017年家計調査報告
[画像のクリックで拡大表示]

 もう一つ、働く高齢者を増やす要因がある。

 「やがて高齢者世帯の中で単身世帯が最も多くなりかねない」。社会保障関係者の中で今、こんな声が広がりつつある。厚労省が公的年金の政策立案の際に常に「標準」とするのは、夫婦のみの2人世帯。ところが、実際には高齢者の単身世帯がここ十数年、大幅に増えている。

月額10万円未満で生活も

 例えば、1980年には高齢者を含む3世代同居世帯が圧倒的に多く全世帯の50.1%を占めた。当時はこれが高齢者を含む標準世帯だった。ところが2000年には夫婦世帯が27.1%と逆転。以後、この夫婦世帯が標準世帯として扱われるようになる。そして、その後すぐに単身世帯も増え始め、16年にはその比率は27.1%と夫婦世帯(31.1%)に近づいてきた。

 厚労省の資料によると、単身高齢者の年間年金受給額(16年)は、平均147万8000円。しかも100万円未満が31.4%を占める。単身だけに、他に収入がなければ月額10万円に満たない低年金で暮らすことになる。単身世帯の増大がこの先、さらに続いていけば、やがて大量の貧困層を生むことになる。

 31年以降の低年金者の年金年額は約50万円、中間層でも約90万円になる──。

 年金が専門の稲垣誠一・国際医療福祉大学教授が、将来の高齢者1人の年金額を独自の方法で推計したところ、こんな結果が出た。00年以降の日本人1000万人の結婚、出産、離婚、就職、離職、家族との同居、別居、所得などのデータを解析。それぞれの属性に応じて、高齢時にいくらの年金を得ることになるかを推計した。

 例えば、就職して正社員で働き続けるか、途中で非正規に転じるか、賃金水準はどうなるかといったデータを基に将来の年金額の分布を算出するという手法だ。その結果、年金額が下位4分の1の人たちの年金年額は約50万円にとどまった。

 上のグラフは17年の家計調査で、世帯主が60歳以上で無職の2人以上世帯の月間の可処分所得と消費支出を見たものだ。今でも高齢者世帯はすべての年齢層で赤字になっている。しかも今、年金の受給開始時期が段階的に延びている60~64歳の収支が最も厳しい。こういう状況下で、年金受給開始年齢が70歳になったらどうなるのか。

 好むと好まざるとにかかわらず、働き続けるしかない「無定年」時代はもう足元まで迫っている。

 

10月12日の投資

TOPIX(前日比):プラス0.03%

TOPIX(前年末比):マイナス6.33%

最高:1月23日、プラス5.14%

最低:3月23日、マイナス8.40%

 

資産成長率(前日比):プラス0.12

資産成長率(前年末比):マイナス7.57%

最高:1月23日、プラス5.09%

最低:8月13日、マイナス9.94%

 

売り:なし。

買い:なし。

 

少し戻しましたが、どうなんでしょうか。

10月11日の投資

TOPIX(前日比):マイナス3.52%

TOPIX(前年末比):マイナス6.37%

最高:1月23日、プラス5.14%

最低:3月23日、マイナス8.40%

 

資産成長率(前日比):マイナス1.82

資産成長率(前年末比):マイナス7.68%

最高:1月23日、プラス5.09%

最低:8月13日、マイナス9.94%

 

売り:1357。

買い:なし。

 

大きく下がりました。